MY WORK IS A STORY OF CHALLENGE

「4つのバリュー」が
イノベーションを生み出す

究極のリーダーシップは、謙虚さと上司を動かす力 

人事部 シニアディレクター 内藤光久​​​​​​​


—サーモフィッシャーサイエンティフィックという会社を一言で表現すると、どのような会社と言えるでしょうか。
「科学の発展を支えている会社」です。私たちは総合科学製品・サービスメーカーとして研究者や品質管理を担われている方々に幅広い製品やサービスを提供しています。その製品・サービスのラインナップが非常に多岐にわたるユニークな会社だと思っています。

研究室から捜査機関まで 幅広い事業ポートフォリオ

—会社の事業内容について教えてください。
大きく5つの領域に分かれます。1つ目が大学、研究機関、企業などの研究室で使われる実験用機材の供給です。シャーレやピペットなどの小さなものから、研究用の冷凍・冷蔵庫、遠心分離機のような装置のほか、ラボ用化学製品などを提供します。
2つ目はヘルスケアの領域で、臨床現場で医師が診断に必要とする検査機材の供給。アレルギーの診断機材や敗血症のマーカーなど多岐にわたります。
3つ目は応用市場と呼んでいる領域で、半導体、素材メーカーや研究機関など向けの電子顕微鏡、化学分析装置、質量分析計などの供給です。
4つ目のライフサイエンス領域は、遺伝子、タンパク質、細胞分析のための機材などを提供しています。最近注目を集めているのが、がん領域での遺伝子解析装置で、がん細胞の特定の分子だけを狙い撃ちにする分子標的薬の有効性を患者さんに投与する前に判定できます。
5つ目は製薬企業向けの領域で、医薬品の原料となるタンパク質の培養で使用される培地の販売や、グローバルで65か所以上にある製薬工場での受託製造や、臨床試験に関連するサービスも行っています。

コロナ禍においては、新型コロナと最前線で闘っていらっしゃる研究者、医療従事者、製薬企業の方々をさまざまな製品やサービスを提供することで支援しています。例えばウイルスの研究やワクチン開発に使用される基本的な実験器具から遺伝子解析装置、ウイルスの構造解析を行う電子顕微鏡に至る幅広い実験機材や、ウイルス感染検査のため24時間に最大8000検体の検査が可能な自動PCR検査システムなどを提供しています。さらに海外の自社工場でのワクチンの製造や国内においても新型コロナ治療薬の臨床試験のサポートなどを行っています。
意外なところでは、DNA型鑑定など警察の科学捜査でも当社の機材が使われています。2021年の東京五輪・パラリンピックではドーピング検査の分析機器を納入しました。

多様性があるからこそイノベーションが生まれる

—想像以上に多くの事業ポートフォリオがあるので驚きました。次に会社のバリュー、企業文化についてお話いただけますか。
当社が求める究極的なゴールとして「私たちの住む世界をより健康で、より清潔、より安全な場所にするために、お客様に製品やサービスを提供する」というミッションがあります。これは社員がサーモフィッシャーで働く目的や意味でもあります。
このミッションを達成するための方法や働き方として「4iバリュー」を掲げています。4iバリューは、今から30年ほど前にIT技術の進歩や規制緩和が進み企業を取り巻く環境が速く大きく変化するようになって、社員一人一人が、そのような変化にいち早く気づき対応するため自ら考え行動することが求められるようになり、そのための行動指針として作られました。

—どんな項目ですか。
バリューの1つ目は「Integrity(高潔さ)」。コミットメントを尊重し、高い倫理基準を遵守します。特に大事なのが開かれたコミュニケーションです。一般的に、組織内では同調圧力が働き少数意見は上げにくい傾向があります。たとえ少数の意見だったとしてもおかしいことには声を上げ、大勢の人がそれに耳を傾ける風土を作らなければコンプライアンスは守れない。発言しやすい風土を作ることを大事にしています。
2つ目は「Intensity(熱心さ)」。成功へ情熱をもって取り組むことです。社会が変化する中で、スピード感のある仕事をして、成果を出す。社員一人一人が仕事を通じて成長することで、個人の成長をチームや会社の成長につなげます。
3つ目は「Innovation(革新)」です。画期的な製品やビジネスモデルを生み出すことだけがイノベーションではありません。日々の仕事の中で仕事の方法やプロセスを試行錯誤し、改善することもイノベーションと言えます。
最後は「Involvement(参画意識)」。チームワークをとるということですね。当社はグローバルで約10万人、日本でも約1200人の社員がいます。社内外、上司、部下を問わず一緒に働く相手が誰であっても同じようにリスペクトすることが、チームで仕事をするためには非常に重要です。そして自分と異なる視点やバックグラウンドを持つ人の話に耳を傾けることや一緒に働くことで、イノベーションを促進することが可能となります。

社内で活躍する人材の3つの共通点とは?

—社内で活躍している人材の共通点はありますか。
いくつかの共通点があります。1つは待ちの姿勢ではなく、自分で考えて行動し、解決策を考え抜ける人。あきらめない粘り強さも大事です。
2つ目は人を動かすことができる人。従来、リーダーシップはマネージャーやリーダーなどチームを率いる人に求められるものとされていました。でも今は全社員にリーダーシップが求められます。「リーダーシップ=ポジティブインフルエンス」であり、前向きな影響を他人に与えて、行動変容を促すことを指します。
私は究極のリーダーシップは上司を動かすことだと思っています。成果を上げている人を見ると上司の使い方が上手です。
活躍している人材の特徴の3つ目は「謙虚さ」です。社員も会社も謙虚でなければ成長はありません。入社当初は誰もが謙虚な気持ちを持っていると思いますが、慣れてくると得意なことだけをやろうとしたり、皆が嫌がる仕事は自分の仕事でないと言って敬遠したりするようになります。
皆さんにも経験があると思いますが、成長している瞬間はすごく苦しいので成長していることを実感できないものです。だから余計に敬遠してしまいがちですが、成長し続ける人はある仕事ができるようになっても「自分に何が足りないのか」を常に自問しています。謙虚な人ほど他の人に教えてやるというより、他の人から学ぼうとする姿勢が強いと感じます。
企業も同じで、成長を続けていく企業には謙虚さがあります。私がサーモフィッシャーに入社した大きな理由が、リーダーたちが謙虚さを大事にしている会社だと思ったからです。

—どんなチャレンジをしたい人を待っていますか。
仕事を通じて成長したいという人にぜひ来てほしいです。お客様により付加価値の高いものを提供することに情熱をささげたい、そのために自分とチームを成長させたいという人には向いている職場です。
総合科学製品サービスメーカーということで理系のイメージが強いかもしれませんが、文系で活躍している人材も多くいます。知識や経験は意欲があればいつでも学び習得することができます。
一方で、人を動かす力は一朝一夕で身に付くものではありません。当社はグローバル企業なので多様な視点から物事を見る力や、多様性があるチームで仕事をする中で、人を動かす力やイノベーションを生み出す力が身に付くと思います。

私たちと一緒に新しいチャレンジができる方をお待ちしています。