MY WORK IS A STORY OF CHALLENGE

進化するエンジニアの世界
最先端の機器で技術を磨く

 

お客様との対話を重ねて提案力を磨けるチームに 変化の速さも魅力 

 

サービス部門 ディレクター 那須保則​​​​​​​


—サーモフィッシャーサイエンティフィックに入社するきっかけを教えてください。
エンジニアとしての振り出しは、HPLC(高速液体クロマトグラフ)を輸入販売する会社です。フィールドサービスエンジニアとしてお客様のところへお伺いし、分析機器の設置や修理、点検などの経験を積みました。その後、エンジニアを育成するトレーナーのポジションに就き、米国本社で新製品の仕様を学び、日本のエンジニアに教えていました。国内に開発拠点がある会社でも経験を積んだ後、日本ダイオネクスに転職しました。その後2011年に日本ダイオネクスとサーモフィッシャーが合併し、通算14年当社に在籍しています。

エンジニアをサポートし、働きやすい環境をつくる

—最初からエンジニアを目指していたのでしょうか。
もともとは映像や音響が好きで、フリーのカメラマンになりたかったのです。カメラメーカーのサービスセンターやテレビの放送局で機器のメンテナンスのアルバイトをし、お金が貯まったら海外で写真を撮っていました。そのような生活を続けているうちに、機器のメンテナンスをするエンジニアの仕事が性に合っていると気付き、より多くの機器を扱う科学メーカーのエンジニアに就きました。

—現職のディレクターの職務について教えてください。
ディレクターのポジションに就いたのは2021年8月です。サービス部門の責任者としての業務は、メンバーのマネジメントやエンゲージメントの向上、事業計画の作成など多岐にわたります。
チームは190人の大所帯で、このうち100人が現場に出るフィールドサービスエンジニアです。このほか、お客様からの問い合わせに対応するテクニカルサポート、受発注業務を受け持つサービスオペレーション部門もまとめています。


—総合科学メーカーであるサーモフィッシャーは扱う分析機器も多い印象です。育成の考え方について教えてください。
弊社の分析機器はテクノロジーごとに10のラインアップに分かれ、それぞれにサービスチームがあります。お客様に対して価値を提供するのは現場のエンジニアなので、私に求められていることは、エンジニアをサポートし働きやすい環境をつくることだと思っています。20年、30年と長く一つの機器を担当し専門性を磨くエンジニアもいますが、私はできるだけ多くの機器のサポートを経験してほしいと考え、ジョブローテーションを推進しています。

コロナ禍で始めたニュースレター配信

—那須さんは部下の皆さんからとても慕われていると伺っています。コロナ禍で対面でのコミュニケーションが難しい中、大勢のメンバーをまとめるために工夫をしている点、心がけている点について教えてください。
エンジニア職は基本的に直行直帰なので、もともと出社する機会は少ないです。コロナ禍以前は四半期に一度は集まったり、早く仕事を終えた日はオフィスに立ち寄ったりしていましたが、ここ2年ほどそういった機会が減りました。そこで、社員がお互いを知る機会を増やすために、私がディレクターに就いた去年から月1回のニュースレターの配信を始めました。新しく入ったメンバーや、マネージャーの紹介、私からのメッセージを盛り込んでいます。うれしいことにメンバーが見てくれているようなので、書かれていることが少しでも皆に届いているといいなと思います。このほかチームごとの勉強会を開き、情報共有ができるような環境を整えています。

—サーモフィッシャーはM&Aなどで業容を拡大し、成長していますが、14年間で会社はどう変化していると感じていますか。
私が14年前に日本ダイオネクスに入社した時、日本法人の社員数は80人ほどでした。サーモフィッシャーとの合併などを経て、社員数が1200人以上に増えたことはものすごく大きな変化です。
この変化がなければとっくに会社を辞めていたかもしれません。M&Aに伴い扱う機器や機材が増え、上海やアメリカ、ドイツなど製造拠点も多岐にわたり新しい発見があります。これほど多くの国に製造拠点を持つ会社は珍しいと思います。会社が大きくなるたびに仕事のパートナーやステークホルダーが増え、変化のスピードが加速している点も魅力です。


技術が進歩しても変わらないこととは

—どんな人に向いている職場でしょうか。
サーモフィッシャーの製品は非常に多く、いろいろな機器のメンテナンスにチャレンジしたい、最先端の機器に触れたいという人には最適な職場だと思います。また、私がエンジニア職にとって大切と考えるのは、お客様と対話し、課題を解決する意欲です。これはいくら技術が進化しても変わりません。
加えて、エンジニアの中には大学や大学院で研究をしていたメンバーもいます。自身が研究に携わっていた経験は、分析機器の使い方やどういうデータを求めているかなど、顧客のニーズが分かるという強みがあります。


—那須さんご自身は今後どのようなキャリアを考えていますか。
機器や装置のメンテナンス対応は、これまでお客様から問い合わせを受けた時や、定期チェックなど受け身のイメージが強かったと思います。しかし、DXが進み、分析機器はクラウド上で管理できるようになり、メンテナンスが必要かどうかを予測できる時代に入っています。近い将来、エンジニアが遠隔で現場の機材を確認しながら、作業者に指示する日がくるでしょう。だからこそエンジニアはどう付加価値をつけるかが問われると思いますし、私自身、その付加価値が何かを追求していきたいと考えています。
一方、どれほどDXが進んでもお客様と関係を築き、困っているポイントをヒアリングして対策を提案する、という一連の流れは変わらないでしょう。お客様と対話を重ねながら提案力を磨くチームをつくっていきたいと思います。